義歯について

歯を失った場合、そのままにしておくと食事など生活において困難が生じるばかりでなく、歯並びを乱し、身体の様々な病気の原因になります。義歯は、歯を削ることはありませんが、取り外しを行い、清掃する必要があります。
義歯には、総入れ歯（全部的義歯）と部分入れ歯（部分的義歯）があります。
総入れ歯では、保険のプラスチック（レジン）でのみ出来ている義歯と、金属（コバルトクロムやチタン）を一部使って薄く快適にした、保険外の義歯があります。
また部分入れ歯は義歯を支えているバネの部分（金属）が他人から見えてしまうという保険の義歯と、人から部分入れ歯を入れていることがわからない保険外の義歯があります。

総入れ歯（総義歯）

アタッチメント義歯（保険適用外）

【長　所】
- クラスプ（止め金）が必要ないので見た目が良い
- カチッと入れ歯が固定されるので安定感がある
- 磁力による維持力の調整が可能
- 根っこが残っている歯を利用するので噛み応えが良い
【短　所】
- 磁石を組み込んだ部分が割れやすくなる

強力な磁石を内蔵した入れ歯と、支持台となる歯に磁性金属を接着する方法です。
他人に気づかれず、しっかりと入れ歯を固定し、また簡単に取り外せます。
残っている歯の状態により適応症でない場合があります。

金属床総義歯（保険適用外）

【長　所】
- ほとんどの症例で使用することができる
- 保険の総入れ歯よりもしゃべりやすく、違和感が少い
- 食事をした時の温度感覚が自然に近くなる
- 汚れが付きにくいので清潔
- 保険のものよりも合った入れ歯ができる可能性が高い
- 割れにくく、変形しにくい。
【短　所】
- ものを噛む能力が低い（天然歯の約10～20％）
- 修理が難しい
- 金属アレルギーが起こる可能性がある
- アゴの骨が徐々に痩せてくるので、定期的な調整が必要
- 落ちたり外れたりしやすい

義歯床を金属にすることで入れ歯を薄くすることができるので、保険のものよりもしゃべりやすかったり、違和感が少なかったりする総入れ歯を作れる可能性が高くなります。

レジン床総義歯（保険適用）

【長　所】
- ほとんどの症例で使用することができる
- 保険適応なので安価
【短　所】
- ものを噛む能力が低い（天然歯の約10～20％）
- 違和感が強い
- アゴの骨が徐々に痩せてくるので、定期的な調整が必要
- 落ちたり外れたりしやすい

保険の総義歯は、口蓋(口中の天井)に当たる部分の素材が歯科用プラスチックです。
プラスチックなので衝撃に弱く、割れたり欠けたりすることがある。

部分入れ歯（部分義歯）

ノンクラスプデンチャー（保険適用外）

【長　所】
- 装着しても目立たない
- 違和感が少ない
- 壊れにくい
【短　所】
- 素材が長持ちしない

最大の特徴は、目立たないということ。金属のツメ（クラスプ）を使わず、装着していても人目につきません。
また、弾性と強度があるので、装着感が少なく、壊れにくいといった特徴もあります。
他にも、材質のつなぎ目がほとんどないため、お掃除がしやすく衛生的です

金属床部分義歯（保険適用外）

【長　所】
- ほとんどの症例で使用することができる
- 入れ歯を薄くすることができるので、違和感が少ない
- 汚れが付きにくいので清潔
- 保険のものよりも合った入れ歯ができる可能性が高い
- 割れにくく、変形しにくい。
【短　所】
- 修理が難しい
- アゴの骨が徐々に痩せてくるので、定期的な調整が必要
- 金属アレルギーが起こる可能性がある
- 金属のツメ（クラスプ）が人目につく

口蓋や舌側に当たる部分が金属の為レジンより薄く、口腔に密着するので違和感が少ない。
そのため、食べ物等の温度が伝わりやすく、美味しさを味わうことができます。
義歯のたわみが無いため、歯に負担が少ない。

レジン床部分義歯（保険適用）

【長　所】
- ほとんどの症例で使用することができる
- 保険適応なので安価
【短　所】
- 違和感が強い
- アゴの骨が徐々に痩せてくるので、定期的な調整が必要
- 金属のツメ（クラスプ）が人目につく

義歯をひっかける歯が残っている場合は部分義歯となり、健康な歯の一部を削り金具をひっかけます。
プラスチックのためたわんだりしてばねのかかる歯に負担がかかり、歯を傷めることがあります。